寝屋川市にて広報活動中に支援者さまから伺った話です。

1995年1月17日、阪神・淡路大震災が起こりました。
震災により無念にもお亡くなりになられました方々に哀悼の誠を捧げます。

当時学生であり、近畿圏に住んでいた私の家も大きく揺れましたし、
神戸に関しては甚大なダメージを受けました。

私の父は大工ですが、復興のため泊まり込みで神戸に出向いていたことを覚えています。

とてつもない自然災害であったため、避難所が設けられましたが飼っている動物と一緒に入れるところは少なかったようです。

とある動物保護団体様が被害にあわれた方々の動物を一時的にお預かりしていたようですが、保護頭数にも限りがあるため一般の方々に対して一時預かりボランティアを募集されたようです。

そこで一時預かりボランティアとして手を挙げたのが寝屋川市の支援者様、である植田さまです。(仮名)

飼い主様の倒壊してしまったお家が復旧するまで、ワンちゃんをお預かりした植田様。お預かりした子は神戸市長田区の中型の雑種犬だったようです。

飼い主様が大変な状況で、心配を掛けさせまいと旦那様と交代で散歩に連れて行く日々でしたがそんな中なんと旦那様の些細なミスでワンちゃんを逃してしまいます。

散歩から帰ってきた旦那様から事情を聞くなり、植田様はすぐに保護施設へ連絡したそうです。

「すぐに捜索します!植田様も心当たりがあるところを探してください」

それから数日ワンちゃんを探していたのですが見つけることができません。
いったいどこに行ってしまったのか?交通事故などにあっていないか?他の動物と喧嘩していないか?そんな心配をしながら植田さん夫婦は探し続けました。

そんなとき、一本の電話が。

「植田さん、ワンちゃん見つかりましたよ!怪我もなく少し痩せていますが元気です!」

「本当ですか!?いったいどこで見つかったのですか!?」
散々探した植田さん、周囲の目撃証言も得られなかったこともありお伺いしたそうです。

「自宅です」

「え?」

「そうなんです。もしかして……と思い見に行ったのですが、神戸市長田区の倒壊した自宅の玄関にいたんです」

直線距離にしても相当な距離です。
ましてや行きは保護施設を経由して寝屋川市へ行っているはずです。車で。

犬の帰省本能。

正直に申し上げると、私はこの話を聞いていた最中、話の結末が予想できました。
自宅に戻ってたのかな?と。

結末を予想出来ていたのに結末を聞いた瞬間全身に鳥肌が立ちました。

帰省本能で自宅に戻ったお話。という簡単なものではなく、

ワンコが何を想って旦那様から走り去ったのか?
道中どんな苦難があったのか?
ご飯は食べられたのか?水は飲めたのか?寒くはなかったのか?暑くなかったのか?足の裏のパットは怪我だらけじゃないか?道に迷ったりしなかったのか?

いろんな知りたいこと、教えて欲しいことがありましたが一つだけ確かなこと。

それでも飼い主に会いたかった。

広報活動場所、往来のど真ん中で涙もろい私は喉が締め付けられる感覚と戦いながら
「素敵なお話をありがとうございました」
と、植田様に伝えました。

植田様は24年前の出来事を思い出したようで、目を潤ませていました。

あとがき

広報活動中は本当にたくさんの動物たちの物語を聞くことができます。
私の子はこんな癖があってね〜、
私の子はよく吠えてね〜、
今日で亡くなってちょうど一年なの〜今でも思い出したら涙が出てしまう〜
などなど、みんな伴侶動物と飼い主様との物語を紡いでいます。
私は人と動物の話をすることが大好きです。
たくさんのお話を聞けることに幸せを感じます。

どこかでお会いすることがあった時、貴方の物語を教えてくださったらとても嬉しいです。