Instagramで元気になってきました!とご紹介したキョウちゃんが亡くなりました。

ここ数日、心の整理が付かないまま過ごしていました。

どんどん回復していく姿を見れる事を祈ってくれていた支援者様に、きちんと真実を伝える責任が自分にはあると思い、綴っています。

多頭飼育崩壊で保健所に収容されていたキョウちゃん。
臆病な子で保健所の譲渡会でも譲渡が難しいだろうと判断され、当施設に依頼が入りました。
少しずつ人に慣れてもらい新しい飼い主様を探そうと当施設で迎え入れることにしました。

細かい情報はいただけませんが、多頭飼育崩壊を起こした飼い主様はご健在で、その方が言うには避妊手術済みだということでした。

しかし、多頭飼育崩壊をしているところがキチンと管理できていたのかな?という疑問があったのでこちらで避妊手術をしているか獣医さんに診てもらう予定でした。

キョウちゃんは当施設の三階建てケージに恐る恐る入りました。
怖くないように目隠しの布を掛けました。

保護初日のご飯を食べないことはよくあることで、この子も食べられない子でした。

それよりも驚いたのは初めての便でした。
血便でした。そして嘔吐も。

私より飼育経験豊富なボランティアさんの勧めもありすぐに獣医さんへ連絡、怖がりな子なので移動そのものがストレスになる場合があるので獣医さんの指示に従い、病院へ。

まず疑われたのがパルボウイルス。成猫といえど何せ多頭飼育崩壊からの子。
ワクチンすらされていない可能性が高く、ワクチンされていない子であれば大人であろうと簡単に感染し死に至らしめる恐ろしいウイルスです。

さらには便からコクシジウムも発見されました。
胃腸炎なども疑われましたが、まずは回復を優先され点滴と強制給餌が始まりました。

初めはされるがままの子でしたが、強制給餌と点滴を進めるうちにシャー!と怒ってくれるようになりました。
なんとか自分でも食べられるように、とチュールをお皿に置いておくと食べてくれるようにもなりました。
顎ニキビも恐ろしい数で、軽く拭き、残りは完全に回復してからね、と約束していました。

Instagramの動画はその時のものです。

明らかに回復してきたので、峠は越えたかなと思っていた矢先、明くる日には嘘のように元気がなくなり、獣医さんに処置もしていただきましたが命を繋ぎ止めきれず亡くなりました。

(上の画像は極端に体調が悪くなった時のものです)

むぎわら柄のキョウちゃんは臆病だけどめちゃくちゃ美人さんで、撫でさせてもくれて特に顎の下を撫でると気持ちよさそうに目を細めてくれる子。絶対に幸せになれる!と確信していました。

でも施設へ来てたった五日で亡くなりました。

保健所から引き取った子で亡くなった子は初めてでした。

仔猫がもらわれた時里親様の元へ送り届けた後、施設に帰りその子が使っていたケージを洗います。
いつもいたところにいない空のケージを洗うのは寂しくもあり、嬉しくもありました。

今回のケージの清掃はただただ辛いだけでした。

清掃中いろいろな気持ちが湧き上がりました。

『元飼い主さん。あなたが捨てたあなたの子が亡くなったよ。
悲しんであげてよ。会いに来てあげてよ……
俺だけにこんな想いさせんでよ。そんなん卑怯やん……

多頭飼育崩壊?お世話できへんなる頭数かどうかちゃんと見極めてよ……

保健所に送り込むんじゃなくて、自力で駅前立って大声張り上げてでも里親探してよ。

本当は捨て猫をほっとけなくて保護し始めた優しい人なのかもしれん。

でもどんな形であれ責任は付きまとってくるよ。

保健所に入れて、はい終わり!はやめてくれよ』

私だってもっと保護してあげたい!保健所から出してあげたい!っていつも思ってる。

でも自分に何かあった時、保護している頭数が多いと保護施設での多頭飼育崩壊になってしまう。

毎日毎日毎日
早く収益事業を成功させて!
早く施設を大きくして!
早くスタッフを揃えて!
早く多くの子を保健所から出してあげたい!
早く!早く!早く!
今この瞬間も死んでるって!!!
俺がもっと優れた人間だったなら救えてるのに!!!って……


毎日悔やんでる。

今回もどうしようもなく悔やんでる。

俺が引き取ってなければ、って絶対に考えたくないことも考えてしまってる。

でも、もう帰ってこない。
どんなに元飼い主を責めてもどんなに自分を責めても
キョウは生き返ってくれない。

キョウちゃん、療法食の強制、嫌やったね……
自分のペースで美味しいもの食べたかったよね。
チュールは美味しかった?もしかして初めて食べた?
多頭飼育だったから好きになれる猫ちゃんもいたのかな?
完全隔離、寂しかったよね。
臆病を克服してめい一杯甘えたかったよね。

何もしてやれんくてごめん。
しんどい思いだけさせてごめん。

今後俺にできることはキョウとのことを他の助けを求めている子たちに活かすことだけ。
多頭飼育崩壊の辛い結末を色んな人に伝え知ってもらいキョウのような子を減らすことだけ。

そんなのはいいから、もっと生きたかったよ。って思うだろうけど、
前に進む姿を見ててほしい。

あまりに乱文で読むに耐えない表現などもあるかと思います。
ありのままに今の気持ちを綴りました。

回復を楽しみにしてくださっていた支援者様、こんな形になり、
本当に申し訳ございません。

Reef Knot 飛田