この季節は保健所にも仔猫がたくさん収容されるます。
処分される猫の大多数が幼齢の猫ちゃんです。

仔猫の状態で保健所から迎え入れたありさちゃん。

シャム系の猫ちゃんでブルーの瞳が印象的な綺麗な女の子。

しかし、迎え入れた瞬間食欲不振と下痢が始まりました。
新しい環境でのストレスももちろん考えましたが、ご飯をいろいろ工夫しても食べてくれなくて体重が下がる前にお世話になっている動物病院で診ていただきました。

ウイルス性の下痢ということで、抗生剤、整腸薬をいただき様子を診ていたのですが下痢は止まらないし、食欲もない。

体重はみるみる下がり、強制給餌に切り替えました。
一日の必要量をなんとか食べさせないといけないのですが、ある程度お腹が膨れると、イヤイヤをする。

少し時間をあけて、強制給餌。施設に泊まり込み、行いました。

ようやく薬が効いてきて便も軟便に変わり、ほっと胸を撫で下ろせたのですが、
ありさを診ている間、色々な気持ちが溢れました。

もうこの仔を救えないかもしれない。
仔猫を引き取るのはまだまだ早すぎたのかもしれない。


以前の施設でもたくさんの仔猫を見てきたし、猫のお世話を担当するスタッフたちの疲弊していく姿を見てきた。

一般の方々でもたくさんの方が仔猫から育てた、という話は聞きますがそれでも、どう考えても、仔猫のお世話は難しい。
哺乳瓶でミルクあげるだけでしょ?という人もいるが、ミルクの温度や滅菌、ミルクが肺に入らないように気を付けないといけないし、きちんと何cc飲んだか、体重はきちんと増えているか、ミルクやご飯を与える時間の間隔、どれを怠ってもすぐに命に直結する。

仔猫の中にも生まれつき小柄な子や、他の子より弱い子がいる。
全て同じやり方でうまくいくはずがない。

施設を一人で立ち上げて約半年、まだまだ施設力や自身の力が足りないと痛感した。

自分が引き取っていなかったら、他の人が助けてくれたのかもしれない…

自分は仔猫の生きたい気持ちをサポートしたつもりが逆に邪魔になっているのではないか?

この半年で一番、追い詰められました。
もちろん施設運営で日々、いろいろな問題で追い込まれていますが、何よりも堪えました。

軟便から良便に変わったこと、ご飯を自分で食べてくれたことがこんなにも嬉しく感じるなんて思いもしなかった。

それからありさはぐんぐん成長し、どんどんやんちゃになっていきました。

ケージの扉を開けると、わーい!と声が聞こえてきそうに飛び出しいろいろなものに興味を示す。

その姿が里親様のハートを射抜きました。

新しいお父さんとお母さんができました。

小さな小さな命は、私にたくさんのことを教えてくれました。
散りかけた命を繋げたこの気持ちを忘れずにこれからも進んでまいります。

ありさは凛ちゃんという素敵な名前をもらえました。
凛ちゃん、末長くお幸せにね!!!!