【とても辛い気持ち、辛い環境を経て安住の地へ】
飼い主様に先立たれ壮絶な環境から当施設へやってきた透ちゃん。
写真は保護当日のもの↓
それから8ヶ月。
施設での透ちゃんはものすごく控えめに甘えてくれるようになりました。
施設をしていると毎日顔を合わせます。
どうしても情が湧きます。
「この子はこの施設にずっといる方が幸せなのではないか?」という自分に都合の良い錯覚すら芽生えてきます。
面接当日里親希望の人とお会いし、たくさんのお話しをしました。
「あぁ、絶対に透ちゃんを幸せにしてくれる飼い主様だ……」
この結果が嬉しいはずなのに悲しい。
保護施設の人間としてあり得ない発言だけど
実は悲しいだけなのかもしれない。
まだこの時は……
送迎の日、里親希望者様のお宅にお邪魔させていただきます。
そしてお部屋の作りや脱走の危険性がある箇所、
誤飲の可能性があるものの移動のお願いなどの説明をし、
透ちゃんをお願いします。
初めてのお家に怯むことなく探検する透ちゃん。
『ここはどこ? わたしは誰?』
「いやいや、透ちゃんだよー」
『こっちから食べ物の匂いがするわ!』
『このおうちが気に入ったわ!他の子は入っちゃダメよ!』
「嬉しいねー、やっと自分だけのハウスやねー!」
その後もお家の様子の写真がたくさん送られてきました。
里親様の隣で落ち着いて眠る透ちゃん。
里親様の席を奪う透ちゃん。
自分専用キャットタワーを買ってもらった透ちゃん。
仕事の邪魔をする透ちゃん。
伸び伸びしている透ちゃんの姿を見て、里親希望者様に嫉妬心を感じます。
でも、私の顔は笑っています。
「あぁ、やっぱりこの施設で暮らした方が…というのは錯覚だった。めちゃくちゃ幸せそうにしてる」
やっぱり自分だけの家族がほしいよね。
透ちゃん。嬉しいね。最高だね。
これからも錯覚と確信を何度も繰り返していくよ。
錯覚するということは全力で透ちゃんを幸せにしようとしてた証拠のはずだから。
透ちゃんは大福ちゃんという素敵なお名前をいただきました。
通称、福ちゃんです。
福ちゃん。出会ってくれてありがとう、お幸せに!!