俵ちゃんポンちゃんは飼い主様の引っ越しに一緒に行けなかった子達です。
2匹は一緒に暮らしていました。
え!?引っ越しに連れて行かれなかったの!?
なぜ? と思われる方もいます。
飼い主様の状況を知っているのは、相談を受けた私だけです。
いろいろな事情があり、結果施設で受け入れました。
どんな事情があるにせよ、最後まで一緒にいてあげなきゃダメだ、
そう言われる人も当然います。
しかし残念ながら離れ離れになってしまう現実というのが
この世にはございます。
かつて、どんなことがあっても一緒にいる!と言っていた人が
依頼をしてくるのです。
そして決まってこう呟かれます、
「まさか自分が伴侶動物を手放すことになるなんて……」と。
この世には予想し得なかったことが起こります。
ご自身が重い病に掛かってしまうとか、自然災害。
こうして保護施設をしていますが最終的には全国の保護施設が無くなってみんな最後まで飼い主様と暮らせる世の中にしたいなぁと心の底から望んでるのですが、こうした【飼い主様が先立ってしまう】【自然災害で住む家が無くなってしまう】このような時、必要な施設だとも同時に思うのです。
俵ちゃんとポンちゃん、施設で暮らす子達は愛する飼い主様と別れてしまい心に大きな傷を負ってしまったわけですが、その傷を癒してくれる人が現れる可能性があります。
私達はそこにかけたい。
つらい思いをした子がいることを一人でも多くの人に伝え、
今後つらい思いをする子が減ってほしい。
今回、俵ちゃんとぽんちゃんの里親様になってくださった方は面接当日、
ご家族全員でお越しくださいました。
決め手となったのは、お父様が「僕たちが施設から帰ろうと立ち上がった時、あの子がじっと僕を見つめてきたんだ」と言われたことです。
俵ちゃんやぽんちゃんの瞳から何かを感じ取られたのです。
トライアルを挟み、毎日のように近況のメールや写真を送ってきてくださったり、どんな生活をしているか文面でも伝わるぐらい愛されていることがわかります。
正式譲渡の手続きで再度お宅に訪問すると、里親様からの俵ちゃん、ポンちゃんの惚気話が止まりません。
「見てください!この写真!俵ちゃんがへそ天してくれたんです!!!」
里親様の目が、『いいでしょ!?羨ましいでしょ!?』とこちらを見てきます。
『むむっ!?』
こちらも負けじとスマートフォンを取り出し俵ちゃんのヘソ天や、ポンちゃんが私の顔面にスリスリしいる写真を見せます。いや、見せつけます。
そしてお互いお部屋にいる2匹を見て、笑い合います。
俵ちゃん、ポンちゃん、きっとこのご家族がつらい記憶を拭い去ってくれるよ。
一緒に施設に来て、一緒にもらまれて、嬉しいね。
末永く、幸せにね。