私が父に動物保護事業をすると言った時、父は昔話を始めました。
(方言そのままで書きます)
「昔お前がまだ小学生の頃、セキセイインコがおったやろ?」
私はピー助という青いセキセイインコを飼っていました。
「あの子が死んだ時、お前が何日もわんわん泣くもんやからよ、俺こう言うたんよ」
「そんなに泣くなら同じ色のインコ買ってきいや!って」
正直、私はそのあたりの場面を思い出せませんでした。
ただ毎日目をパンパンに腫らし、家族でご飯を食べている時にもポロポロ泣いていたことは覚えています。
その父からの投げかけに幼い自分がなんと応えたのか気になり、
「そんで? そんで?」と聞きました。
「そしたらよー、お前が言うんよ」
「その子はピー助じゃない! ピー助じゃないとダメなんよ!って」
「俺、お前のその言葉聞いてよ? 思わずもらい泣きしそうになったわ。わははっ!」
父は笑っていました。
私はというと恥ずかしい気持ちもありましたが正直、子供時代の俺! よくぞ言った! と嬉しくなりました。
ペットロスの治療法として、新しく迎え入れるという方法があります。
そこにある新しい命のお世話に集中することにより回復に向かうものです。
決して新しく迎え入れた子が先代の代わりになるわけではありません。
失われた命はどう足掻いても元に戻りません。
1匹1匹違う顔、容姿をしていますが
人よりも動物達は1匹1匹の容姿が似ています。
似ているだけで、性格や仕草が全て一致しません。
当時の自分がそこまでは理解してなかったでしょうが、
【もう会えない】ことは分かっていたのだと思います。
動物での情操教育には賛否があります。
人の心を育むためになぜ動物が犠牲にならないといけない?と捉えることもできますが、後出しと言え結果的に私はピー助に命の尊さを教わりました。
動物達に教わりっぱなしです。
今の私を形成しているもの。
家族、友人、仕事仲間、環境、学校、あげればたくさんありますが、命を賭して教えてくれたピー助、動物たち。
動物達に感謝を。
この話を覚えていてくれた家族に感謝を。
この活動を支えてくださっている支援者さまに感謝を。