〈2022.8.24〉
おチビと言っても月齢4ヶ月ぐらいの離乳も済んでいる若猫ちゃんです。


当施設は保健所や飼い主様他界などの保護が多いため、基本はシニアちゃんが集まります。
こんなに小さい若猫ちゃんは久しぶり。
いやー、可愛いですね✨
何が可愛いかと言うと何にでも興味を示しひたすら遊び、将来の不安など微塵も感じさせない天真爛漫さが見てて微笑ましいです。

さて、保護の経緯です。
2ヶ月ほど前に
「担当しているご高齢の方が、自分に何かあった時家にいる猫ちゃんたちが心配だ、と言われています。一度お話を聞いてもらえないでしょうか?」とケアマネージャー様からご連絡をいただきました。
ご高齢の方はM様とします。

お話を聞きに行きました。
M様は現在85歳を越える女性。
36歳の時からずっと外猫ちゃんに携わる生活をし、これまでの避妊手術した子は1000匹を越える方でした。
現在お家にいる2匹が自身に何かあった時どうなるのか不安で仕方ないとの事。
M様に何かあった時、残された子たちが辿るであろう未来を説明し、
まずはM様には健康に生活し、なんとしてでも看取る気持ちで生きてくださいとお願いしました。
何かあった時のこちらができる協力内容もお話しましたが、ここでは割愛します。

そして先日ケアマネジャー様から連絡が来ました。
「M様が少し前から仔猫を迎え入れてます。今後お世話していくことが難しいので保護してほしいです」

私は正直「はぁ!?」となりました。
感情には表に出る順番があります。
よくよく考えてみると意見は変わってくるのですが、その瞬間は「どういうこと!?」となりました。

ケアマネージャーさんは言います。
「まだ2ヶ月ぐらいの仔猫ですから里親さんも見つかりやすいと思うのです」(実際みると4ヶ月ぐらいでした)

……ブチブチと自分の中で千切れる音がしました。

『そう思うなら自分でやってみれば?』
仔猫だから里親様が見つかるなんてなんの保証がある?
里親探しは絶対そんな簡単なことじゃない。
すぐに見つかるなら世の保護施設に動物が溢れかえってるはずがないよ。
「私がどうかなったらこの2匹はどうしよう…」って悩まれてた方が何故新たに迎え入れることができる?

全然訳が分かりませんでした。

ですが若猫ちゃんはM様に迎え入れられてなければ今、生きていない可能性があります。

突発的に「なんでそうなる!?」と思いましたが、よく考えるとM様は若猫ちゃんを助けたい気持ちで迎え入れたのです。
それ以外ない。
保護施設は保護することがお仕事だからそれでいいんじゃないの?と思われるかもしれません。

残念ながらあくまで当施設はそれらを全てカバーする組織力が無い。
無限の資金、無限の施設があれば二つ返事で保護します。
しかし無限なんてあり得ない。

だから学校や街頭で啓蒙活動するのです。
カバーしきれないから元栓を閉める活動をしているのです。

脱線しました。
M様にまずは自分の生活と猫ちゃん2匹を優先してください!とめちゃくちゃ説明しました。
正直胸が痛かったです。

ですが最終的な言葉は「この子を助けてくれてありがとう」でした。

名前はまちちゃんです。女の子。
小さくてもめちゃくちゃ生きてます。
大人猫たちに見守られながらスクスク育っています。
M様が助けてくれたこの子を幸せな場所に導けるよう努めます。