ギャーちゃん。

それが保健所にいる時の潑春くんの呼び名でした。

常にギャー!と怒るのでギャーちゃん。

私が保健所に訪れた時もそうでした。

ギャーちゃんこと潑春くんは保健所の並んでいる一番奥のケージから一人でこちらを睨みつけていました。

大抵のニャンコは初めて見る人を警戒します。

潑春くんの迫力はかなりのものでした。
ケージ越しに手を差し伸べると間違いなく猫パンチが飛んでくることが予想されました。

職員さんも
「すいません。私は怖くて近寄れません」
とのことでした。

当施設に迎え入れ、
「おはよう」と挨拶するも返事は
「キシャー!!!!」

しかし数日するとお腹を出して、撫でることを要求するようになりました。

顔も優しくなって来ました。

新しい子達が入り、早くも当施設の先輩になってきた潑春くん。

新しい子から逆にシャーといわれる立場になっていました。

シャーと言われるとトボトボ歩き去る。

保健所で見せていた姿が嘘のようです。

実はものすごく優しく小心者であることがわかりました。

一人で怖くて虚勢を張っていたんだとわかりました。

こんなに優しい子にお声がかからないはずがありません。

潑春くんの運命の人が現れました。

送迎当日、新しいお家でまたしてもギャーちゃんに戻らないか心配していましたが、当施設で暮らしていた通り優しい潑春くんのままでした。

緊張もほとんどなく、すぐにゴロンと寝そべっていました。

新しい飼い主様から出されたご飯も手からペロリ♫

せっかく用意してくれたキャットタワーやダンボール寝床を通り過ぎ、気になるのはタンスの上(笑)

探検♫探検♫楽しいにゃん♫

保健所に里親希望で行かれる方、保護施設へ里親希望で行かれる方。
色々な不安があると思います。

子犬、子猫からじゃないと懐かない。

そんなことないです。

一度、人に絶望してしまった子達でももう一度人の暖かさを思い出してくれる。
健気な子達です。

第二の犬生、第三の猫生を幸せなものにするのはきっと私たち人です。

ハル!!幸せにね!!