皆様、こんばんは。
飛田です。

今回は、投稿することも悩む悲しい出来事のお話です。
でも実際にあることですし、私自身もこの出来事を通じ思い直すことがありました。そして伝えることは私の使命です。

支援者の皆様、読者の皆様にもお伝えし、何かを感じていただければ…と思い綴っております。

先日、いつも大変にお世話になっている方から一本のお電話をいただきました。

「……という内容で相談されたのですが、トビさん(私の愛称)のとこ猫ちゃん3匹分空きありませんか?」

内容が内容だったので、直接依頼者様とお話させてほしい、ということで依頼者様とコンタクトをとることにしました。


「この度はお辛かったですね……」

依頼者様
「はい、あまりに突然のことで今も気が動転しております。申し訳ないです」

相談内容は依頼者さまの息子様、つまり猫ちゃん3匹の飼い主様が他界された、とのことでした。

依頼者様であるご両親のご年齢から息子様はおそらく私とそう変わらないか、もしくは若いご年齢です。

譲渡の際、年齢制限をされている団体様がほとんどでしょうし、保健所やセンターでも年齢制限はあります。なぜなら、高齢者の方が何かが起こる可能性が高いからだと私は認識しています。

しかし、今回は何かが起こるとは到底思えないご年齢の方の他界でした。

今から書く内容ですが、もしかすると読者の皆様から怒られてしまうかもしれませんが怒られても構いません。支援者様を幻滅させてしまうかもしれません。ですが書きます。

私が保護する理由の中で、飼い主様の他界はかなり上位に位置付けられています。

最優先は保健所の子達です。今日亡くなるかもしれない、明日亡くなるかもしれないからです。

野良猫ちゃんに関しては、野良猫ちゃんの自由を尊重したい気持ちがあります。重傷の子は別ですが。

飼い主様がいるご家庭の子の保護依頼に関しては、今は飼い主様がいてくれている、お世話されているということでご相談に乗らせていただくことはありますが、即受け入れるわけではありません。
どうにかして飼い主様と暮らせれば一番良いですし、それがどうしても叶わないのであれば飼い主様が信頼されているお友達や知人の方にお願いすることがいいと思うからです。

安易に受け入れ、施設に来れば集団生活になります。
集団生活が苦手な猫ちゃんはたくさんいますから。

今回はご両親が気が動転している中、たくさんのお友達、会社の同僚、保護施設、愛護センターに連絡し、必死で猫ちゃん達の居所を確保しようと動かれていました。
ご両親のお住まいであるペット不可条件のマンションの管理部にまで、どうにか飼わせていただけないか頼み込んだようです。

センターに関しては「殺処分前提での引き取りならできる」と言われ即お断りしたようです。

飼い主様他界によって、保健所やセンターにいく子は本当に多いです。

ご自身が頭の中、心の中がぐちゃぐちゃになりながらも処分はだめだ!と、なんとか命を繋ごうとしてくれていることに優しさや愛情を感じたのです。

息子さんが救った命を繋げてあげたい気持ちに私は胸を打たれました。

ご両親はまだまだしないといけないことが山のようにあるのです。
もう私にはご両親から猫ちゃん関係の悩み事から解放されてほしいという感情しかありませんでした。

引き取らせていただくことに決めました。

お迎え当日、息子様の暮らしてた部屋で初めてご両親、そして猫ちゃん達と顔を合わせました。

猫ちゃん達はまるで
『あなた誰? 私のパパは? まだ帰らないの?』と言っているように不安げに固まり見つめてきました。

お父様は眠れていないようで、顔、身体が俺がやらなければ……という強い意志で強張っていました。
いつ緊張の糸が切れ倒れてしまってもおかしくないように見えました。

お母様は、言葉では簡単になってしまいますが憔悴しきっていました。
こちらが直視できないほど憔悴しきっていたのです。

ご両親と動物達を見た瞬間に感じたことは、

『あかん、絶対に俺は死んだらあかん!』

でした。


きっと私の家族も、私が亡くなればこのお父様やお母様、動物達のようになってしまう。


強烈にこんな状態にしたらダメだ!と思いました。

現在猛威をふるっている新型コロナウィルスに関しても亡くなられた方々には、多くの悲しむ方がいます。
悲しむ姿を想像できている人がどれだけいてるのでしょう。

親しい方が亡くなることで、初めてコロナの脅威を感じるのかもしれない。

どこかで思っているかもしれない。

自分は感染しない。

自分は入院しない

自分は事故に合わない。

自分は死なない。

死ぬ可能性がゼロなんてありえない。

ご自身が亡くなられた場合のこと、考えたことはありますか?
愛する家族のその後のことは考えていますか?


動物は両親がみてくれる、兄弟がみてくれる、
おぼろげにそんなこと考えていませんか?

私も、「絶対に死んだらあかん」と書きましたが、それでも未来は誰にもわかりません。

私は、「もしもノート」をしっかりと作ろうと思います。

私が死んだ時、読んでもらい今後のことが記載されたノートです。

亡くなることによって誰かが辛い中動き続けなければなりません。

できるだけ負担を減らしたいですよね。

私には、このようにしよう!とまでは言えません。

このような悲しい出来事がある、とお伝えすることだけです。

皆様や皆様と過ごされている動物達がどうか幸せでありますように。そう祈っています。

写真は飼い主様が救い、ご両親が守ってくれた子達です。
支援者様方のご支援をこの子達や施設にいる子達のため大切に使用させていただきます。

三毛猫 まりんちゃん 推定2才

茶白猫 てん君 推定8才

キジトラ猫 ロン君 推定8才

いつも支えてくださり、本当にありがとうございます。

一般社団法人 Reef Knot
代表理事 飛田 俊