10才のチョコちゃんは、16才の老犬のハル、8才の猫のモコ、6才のみかん、6才のマトと同じお家から来た子です。

チョコちゃんの飼い主様はもうこの世にはいませんが、とても強い愛情をお持ちの方でした。

癌を患いステージ4で即入院しないといけないところを、おうちにあの子達がいるから…と言う理由で限界ギリギリまでお世話されていました。

伴侶動物の最期を看取るまで飼い主様が先に他界してはいけない、と私は常々思っています。

飼い主様が存命中にこの子達を引き取りに伺いました。

飼い主様はベッドで横になられておりほぼ動けない状態。

それでも強い眼差しと、苦しいながらも絞り出す声でこの子達の名前や年齢の説明をしてくださいました。

この子達の毛艶や体型も良く、そんなボロボロの身体でよくぞここまでお世話し続けたな……と逆に感服してしまいました。

普通であれば、動物たちは「僕たちを置いて行かないでよ!」と思っているのかもしれません。

でもこの子達からは、「今までありがとう」と思っているんじゃないかな?と感じました。

一番飼い主様がこんな結末は不本意なはずです。

そして、こんなはずじゃなかったはずなんです。

許す許さないの権利など私にはないですが、引き取らせていただいたからこそ言います。

この飼い主様のようなことが今後起こってはダメなんです。

大丈夫でしょうか?

「私は死なない」「私は病気などならない」

そう思っていないですか?

私はこの活動でそうなってしまった方の相談をよく受けます。

意外かもしれませんが、人っていきなり死にます。

いきなり病気になります。

高齢の方にその可能性が高まるだけで、若いから死なないなんていうのはないです。

もちろん私もです。

命を迎え入れる前に、色々な覚悟や最悪の場合を考えないといけません。

その先に動物の幸せというものがあるんだと思います。

そうなることを視野に入れてほしいとこのようなSOSカードを作って配ったりしています。

まずチョコちゃんが最初に新しい幸せを手に入れることができました。

老犬のハルは現在トライアル中。

みかんとモコは来られるお客様全員に猛アピール中。

マトはまだまだ、飼い主様以外に心を開けていない様子。

みんなに最期まで安心して暮らせる家族を手に入れてほしいです。

チョコは「ちょ子」という名前をいただきました。

里親様が「最後の最後までがんばられた飼い主様のつけてくれた名前、呼び方で呼んであげたい」とのことでした。

私はこの里親様夫妻のことが大好きで、勝手に【生き物の痛みや辛さを深く知っているご夫婦】だと思っています。

とにかく心が優しいのです。

動物に向ける視線や話し方、触れ方、心の寄り添い方、側から見てるだけであたたかい気持ちにさせてくれます。

ちょ子ちゃん。飼い主様が変わるなんて驚いたし悲しかっただろうけど大丈夫。

また幸せに暮らせるからね。お幸せにね。